2014年8月19日火曜日

エビデンスに基づいた吃音支援入門

吃音者です。
吃音のことを知らない人にも、知っている人にも、ぜひ手にとってほしい本です。
子供から大人まで読めますので、学校の図書館などに一冊はおいてほしいです。

本書は、現在までにわかっている吃音研究・治療法の内容、
そして吃音者へどう接すればいいのかを、親御さんや医教・教育関係者の方に詳しく説明しています。

吃音者としては「うん、そうしてほしい、そうしてくれると助かる」
とヒザを打ちたくなる内容が満載です。本書に書いてあるように
接してくれたら、吃音者はとてもうれしく、ありがたいです。

例えば、本書では、ドモる子供に「落ち着いてゆっくり話しなさい」とは言わず
「話し方よりも、その子が話したい内容に耳を傾け本人を肯定する」
ことを勧めています。
私自身、「落ち着いて話しなさい」と言われると
ドモリに注意が向きすぎて、かえって会話ができなくなりました。
「あなたは悪くない そのままでいい」
と言ってもらえたら、吃音者はとても幸せです。

吃音者にとって希望の書です。『ボクは吃音ドクターです』と
合わせて読むことをお勧めします。

小学生の吃音の子を持つ親です。
吃音者である著者自身が、医師としての目線で書かれた貴重な一冊です。
「吃音は治るのか?」「吃音の原因は?」といった疑問へのエビデンス(科学的根拠)に基づいた解説、
また吃音の歴史、具体的な支援方法、そして、学校や園の先生へお渡し出来るよう、吃音について簡潔にまとめられた
資料も載っています。
まさに吃音の方を支援する本です!
ただ、専門的な用語も出てきますので、吃音についての本が初めて、という方は
「ボクは吃音ドクターです。」を先に読まれた方が、わかりやすいかもしれません。

現在の吃音支援の概略が書かれています。
具体的な支援についての解説と実際が紹介されています。

吃音に関する歴史も学べたので、現在までの考え方の変遷も理解することができました。
見開きの2ページで一つの講話が終わる感じで、とてもリズムよく、読めました。
グラフや資料もたくさん載っていました。
また、筆者の先生の思いも、とても伝わってきました。

私にとっては、とても良い本でした。
小学校に入るまでの吃音と、それ以降では、内容がまた変わってくるということも理解できました。

2年前のこと。
3歳児健診の時に、内科の先生に子どものどもりのことを相談しましたが
「大丈夫ですよ、もう少し様子を見ましょう。」
と言われました。
正直、心配しているから相談したのにとてもいい加減な感じがして、当事者じゃないからそんな風に簡単に言うんじゃないのかな?と半ば腹を立てていた私もいました。
でも、この本を読んで「もう少し様子を見ましょう。」の意味が分かった気がします。

まだ就学前の段階なので、様子を見ていますが。
吃音も含めて、可愛い我が子です。
ありのままを受け入れて、私も勉強しながら、本人の気持ちに寄り添っていきたいと思いました。

同じような不安を持たれている方があれば、読んでみませんか?
どうでしょう?

言語聴覚士として働いていますが、今まで吃音の患者さんには携わったことがありませんでした。しかし、今度吃音の子どもさんの相談を受けることになり、どのように対応したらよいのかと悩んでいました。先輩STの勧めにより、この「吃音支援入門」を購入したところ、とても読みやすく、エビデンスも添えて書いてありました。この本の内容を伝えるだけでも、相談に対応できるのではないかと思い、自信がつきました。非常に参考になる本でした。

吃音は治りにくい、特に成人になってからだと難しい。
これは著者自身の吃音が治癒していないことからも裏付けられます。
特に、自分のような発達障害が背景にある場合だとことさら。

ある大学病院の耳鼻科のSTは諦めろといいました。
しかし、どうしても諦められず、成人吃音を取り扱う著名なSTに出会い、発声訓練に取り組みました。
その彼が予備知識を得るため読むことを勧めたのがこの本でした。

完全に吃音を受け入れてあるがままに、という読み方をするのもあり。
Evidence-Based Medicineの情報源として読み、プロの指示を得ながら改善を進めるやり方もあり。
自分は後者を選択しました。諦めるなら、やることを全部やってから諦めたい。

STの全面的なサポート+本書籍の知識で、世の吃音防止対処法の間違いに気付けたのは幸運でした。
再掲、どう読むかは自由ですが、情報源としては役に立ちました。

(補足)
どういう症状でどう困ってどう生きているかという資料は

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

が適切に思います。これも著者の実体験に基づくもので読むのが辛い。

医療現場で働くSTです。吃音に関しては圧倒的に情報不足で、自分では対応できないと敬遠してきた者ですが、避けては通れないとも感じていました。本書は吃音に関してエビデンスに基づいた研究が多数紹介されており、それらをそのまま紹介するだけでも吃音に悩む人やその家族の支援になるのではないかと感じます。非常にわかりやすく読みやすい本ですので、ぜひ現場STに活用してほしいと思います。


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