教育の現場での、発達障害の子どもたちの「困った」にプロはどうやって寄り添うのか、家庭でのことばのかけ方などが分かります。
序 章 コミュニケーションを願うすべての人へ
第一章 すこやかな育ちを応援する
第二章 ことばの育ちを支えるということ
第三章 特別支援教育と発達障害の子どもたち
第四章 子どもとの向き合い方、歩き方
第五章 STと一緒に「ことば」を育てた家族
第六章 ことばを窓口として人生とつき合う
第五章 STと一緒に「ことば」を育てた家族には、4家族が登場します。
取材時点での、お子さんの学校と、診断名は
小学5年生(特別支援学校に在籍・広汎性発達障害)
小学2年生(特別支援学級に在籍・自閉症)
小学4年生(特別支援学級に在籍・自閉症)
高校1年生(高等専修学校に在籍・広汎性発達障害)
子どもの「特性」を生かしてよく育てるために大切なこと、が明らかになります。
第一級の言語聴覚士が、発達障害や何かの心配がある子どもの「ことば」を育てる暮らしをていねいに紹介。子どもの「特性」を生かしてよく育てるために大切なこと、が明らかになります。
本書は一言で言えば、言語療法士である著者が「あなたも言語聴覚士(ST)になりませんか」と誘う目的で書かれたのではないか、と思う。
つまり本書には、STとはどんな職業であるか、STが向き合う発達障害とはどういう仕組みの障害であるか、発達障害の子供の発達を促すためにSTはどのようなアプローチを取るのか、そして発達障害を持つ子供たちの教育や療育の環境が現在どのように整備されているかが、簡潔かつ丁寧に説明されている。著者の豊富な臨床体験が随所に援用されながら、それが単なる個人の経験談に終わっていないのは学問の裏付けがあるからだ。理論と実践、学識と経験のバランスの取れた見事な一冊である。
また本書には、少しふざけ過ぎではないかと心配になるほど軽い調子で書かれている箇所もある。そこが鼻につくかも知れない。しかし、発達障害という重い現実に対しては、これくらいの態度(著者の言葉を借りるなら「STの心意気」)で臨まなければ立ち向かえるものではない、という著者の苦い認識が影を落としているに違いないと納得できるのである。
自閉症児の親としては、本書を読んで一人でも多くの若者がSTを志してくれれば、と願わずにはいられない。
言語聴覚士(ST)はリハビリテーション3職種のひとつで言葉や聞こえに関する専門家ですが、あまり世間での知名度は高いとは言えません。
また、殆どのSTは失語症などの成人の治療に従事し、医療機関に勤務しており、著者のような子どもを専門にしたSTは少数派です。
世間では余り知られていない専門職のさらにマイナーな分野に従事しているというわけですが、この子どもを対象にしたSTの活動について楽しくわかりやすく紹介しているのが本書です。本書を読めば著者の子どもたちへの愛情と専門性の高さが感じられます。著者のようなSTに出会えた子どもたちは幸せだと思います。教育や福祉の分野では発達障害が注目を集め、発達障害には言葉の発達が多く関係していると言うことがわかってきています。今後ますます注目を集めるであろう(それだけに人材不足が深刻化していますが)子どもの言語発達支援の一面を汁にはよい書だと思います。
言語聴覚士(ST)について理論的な裏付けと、なんといっても「こどもと一緒に言葉を育てる実例」が参考になる良書。
もちろん実例は個々のこどもによって千差万別だけれども、なかなか聞く機会が持てないし、聞けば必ずどこかに「ヒント」が貰える。
子供を対象にした言語聴覚士(ST)が不足している現状では、ここに実例として挙がっているこどもたちは、ある意味幸運なのかもしれないが、逆に、言語聴覚士(ST)がもっと増えれば、こういう機会が与えられる子供が増えるのだ、ということを考えさせられる。
発達障害のお子さんの親もそうなのだが、言語聴覚士(ST)を目指す人にも、ぜひ読んでもらいたい。
子どもを対象としたST(言語聴覚士)の仕事内容と発達障害児への関わりの実際を伝えている本。
発達障害児を育てらている方にとってはSTの関わりの大切を知る機会となり、一般の人にとってはSTという仕事にあこがれる機会となる一冊だろう。残念ながら私が期待していた「発達障害とことばの相談」というタイトルから想像されることばの相談の具体的な関わり方が詳細に書かれている内容ではなかった。タイトルが「発達障害とあゆむ言語聴覚士」等だったらピッタリだと思った。
しかしながら、こうやって地域で子どもたちを温かいまなざしで見つめている専門職がいるというだけでとっても安心した。しっかり、専門職が関わることで子どもたちが変わっていけるのだと改め認識させらた。私たち保健師が両親が子育てに困っている方を療育に繋ぐことはけっして無駄ではないと実感できた。
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